実際に聞いてみよう
スピーチ時間:16分29秒 カテゴリー:ヘルス
解説PART
語句・表現
- Just kidding:冗談ですよ
- widespread:広く普及した
- unconsciously:知らぬ間に
- nearly:ほぼ
- eager:熱心な
- subject:被験者
- compelling:抑えきれないほどの力がある
- unending:終わりのない/絶え間のない
- novelty:目新しさ
- mere:単なる
- nudity:裸体
- arousal:性的興奮
- skyrocketing:とどまることない
- spike:グラフ上の尖った山の部分
- erection:勃起
- fire up:勢いよく起こる
- excitement:興奮
- mother nature:生理的必然
- fertilize:子孫を残す
- willing:乗り気な
- utterly:完全に
- exhausted:果てる
- Coolidge effect:クーリッジ効果
- mammalian:哺乳類の
- perceive:AをBとみなす
- novel:目新しい
- genetic:本能的
- go get it:ヤっちゃえ
- neurochemical:神経学的
- dopamine:ドーパミン
- Eventually:最終的に
- tire:疲れ果てた
- ancestor:先祖
- lifetime:生涯
- hunter-gather:狩猟採集民族の
- rewire:再配線する
- bonanza:チャンス
- harem:ハーレム
- voyeurism:のぞき見(インタ-ネットポルノの)
- tabs:タブ
- fast-forwarding:早送り
- courtship:求愛行動
- pheromone:フェロモン
- interaction:触れ合い
- control groups:対照群
- blind spot:盲点
- undaunted:くじけない
- arousal addiction:性的な興奮の中毒
- social anxiety:社会的な不安症
- depression:うつ
- concentration:集中力
- performance anxiety:あがり症
- As a consequence:結果として
- inquire:尋ねる
- behavior:行動
- Ducth:オランダの
- evolve:進化する
- bonding:人とのつながり
- override:暴走させる
- binge:ばか食いする
- obesity:肥満
- In essence:ようするに
- dopamine:ドーパミン
- pack away:たいらげる
- mating season:発情期
- alpha male:群れのリーダー的な雄
- jackpot:大当たり
- kick in:~を作動させる/~を入れる
- molecular:分子の
- fancy:複雑な
- accumlate:蓄積する
- buildup:蓄積
- reward circuit:報酬回路
- excess:過剰
- consumption of~:~の消費
- alter:変える
- craving:渇望
- addicts:依存者
- numb:感覚が麻痺する/鈍化する
- hyper-reactive:非常に敏感になる/過剰反応する
- willpower:意志力
- erode:すり減らす
- frontal cortex:前頭葉
- Up-here:こちらの
- voluntarily:自ら
- by the thousands:数千人
- resurrection:復活
- as opposed to:に対して
- demise:消滅
- in one’s right mind:意識的に
- erectile dysfunction:勃起不全
- flame out:燃え尽きる
- Sexual enhancement drugs:精力増強剤
- libido:性的衝動
- takeaway:ポイント
- gradual: 徐々の
- desensitization:感度が下がること
- I’ve been to~:~に通っていた
- psychiatrist:精神科医
- diagnose with:~と診断する
- memory impairment:記憶障害
- pot:マリファナ
- weirdness:不気味なところ
- nonexistent:消え失せた状態
- chick magnet:魅力的な男性
- peer:現れる
- pickup artist:ナンパ師
- fap:自慰
- unhook:やめる
- spring up:続出する
- bizarre:奇妙な
- the fly in the ointment:一つの欠点
- mojo:精力
- neuroplasticity:神経可塑性
- prune back:取り除く
- plastic:可塑性のある
- rivert:戻る
- procrastination:先延ばしすること
- wipe out:ひどく弱る
学びPART
人間は性的な目新しさには抗えない。これは生物に備わる「自然報酬」と「クーリッジ効果」というキーワードであるていど説明がつくものであり、受け入れるしかない。ただただ、自分の子孫を広く遠くに残そうとしているだけである。生物学的には優秀といえよう。とても自然なことだ。
一方で、ある時からポルノと高速インターネット回線が結びついてしまった。進化のメカニズムからすれば不自然な環境の誕生である。昔とは違い、今や私たちはスマホやパソコンを使って性的な目新しさを一瞬で享受できてしまうのだから。性的欲求を手軽に暴走させる環境が整ってしまった。
そして、インターネットポルノの継続的な視聴は、1) ドーパミンの過剰分泌、2) DeltaFosBの蓄積による増感、3) CREB分子による脱感、4) 前頭葉の低活性化、5) ストレス系の誤作動といった中毒症状による脳の変化を引き起こす。
このインターネットポルノ中毒による悪影響はいろいろと報告されている。憂鬱感、不安症、うつ病といった各種精神疾患、勃起不全、異常なフェティッシュの形成、現実世界のパートナーの価値を低く見てしまうこと、集中力低下、記憶障害、衝動性の増加など、どれもQOLを下げる恐れがある。
個人差はあれど、インターネットポルノの視聴に大なり小なり何らかの弊害があるのは確かだ。自分の体や心の不調はもしかしたらインターネットポルノ中毒のせいかもしれない。大切なことは、ポルノ断ちをしてみることだ。多くの先駆者は3か月程度を目標にしている。毎日のように観てしまっているようならば、まずは一週間ポルノを禁止してみて自分の体に起きる反応を伺ってみよう。
ただし、ポルノ断ちは相当に難しい。生物的な根本欲求と逆行する行動なわけだから当然だ。ポルノ断ちのコツは、下記に紹介する著書『インターネットポルノ中毒 やめられない脳と中毒の科学』で紹介されている。例えば、運動、ポルノブロックソフトや広告ブロッカー、日数カウンターの導入、フォーラムへの参加などを勧めている。迷われている場合はぜひ参考にしていただきたい。
「私はどこの脳神経回路を強化したいのか?」
「 たった一度の人生を最高の脳を使って全力で生きたくないのか?」
「そもそもポルノを観ている時間を他のことに使うべきではないのか?」
ぜひ自問自答してほしい。あなたが変わりたいと思えるなら、このポルノ大実験に参加してもらいたい。おかしくなってしまった脳神経回路をリセットして自由になっていただきたい。人生の本当の優先順位や心から満足のいく性的アイデンティティーを取り戻していただきたい。脳にはいつまでも可塑性、すなわち変わる力がある。このことを忘れずに。
感想PART
『インターネットポルノ中毒』ゲーリー・ウィルソン著